赤い流れ星3




「おはようございます、青木さん。
今日は私までお誘いいただいて、どうもありがとうございます。」

「こちらこそ。
つきあって下さってどうもありがとうございます。」



次の日の朝、私達はアッシュさんの運転する車に乗りこみ、まずは野々村さんを迎えに行った。
けっこう早起きだったけど、仕事の時と違って遊びのためだとわかってると、眠気も少しマシになる。
四人で他愛ない会話を交わしながら、隣の県のテーマパークまでのドライブ。
そういえば、今日は男性二人に女性二人だから、なんだかちょっとダブルデートみたいな感じ?
でも、前の席にはアッシュさんと兄さん、そして、後ろの席には私と野々村さんが座ってて…
デートだったら、こんな座り方はないよね…
そもそも、アッシュさんや兄さんが私達みたいのを相手にするはずないし…
一瞬の気の迷いとはいえ、一体、何を考えていたのやら…




テーマパークに着いてからは、皆、童心に返っていろいろなアトラクションに参加した。
中でもアッシュさんのノリの良さはいかにも派手で外国人らしい。
楽しむ時は徹底的に弾けて楽しむっていうあの姿勢は、なんだか見習いたいような気分にもなった。
アッシュさんのお陰で、私達もけっこう大きな声をあげたり、笑ったりして…野々村さんも立場上、いやいや来てるような雰囲気じゃなく、心の底から楽しんでるように見えて安心した。
そんな中、あの怖い物知らずに思えてた兄さんの弱点らしきものを私は発見した。
どうやら、あの人…高い所が苦手みたいなんだ。
アッシュさんが乗ろうって誘っても、兄さんはなんだかんだと理由をつけては、別のものに乗ろうと必死になって話をはぐらかすんだから…



(あやしい……)



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