赤い流れ星3
あ…でも、まだ挽回のチャンスはある。
今度、青木さんにお会いした時に、それとなく恋愛の話をしてあげれば良いんだ。
そしたら、きっと…
私にはちょっと辛い話かもしれないけど、だまって聞いてあげれば良いんだ。



うん、そうしよう。
私にはどうせ端から希望のない想いなんだもの。
それなら、少しでも青木さんが喜んで下さることをしてあげよう…



そんな風に気持ちが決まったら、なんとなく落ち着いた。



(あ、今夜は満月だったんだわ…)



窓ガラス越しにも明るい空に、私はそっと窓を開いた。
空にはぽっかりと丸い月が浮かんでた。



(青木さん……)



丸く明るい月に青木さんの顔が重なった。



(どうか、青木さんの恋が成就しますように…)



少し無理をしながら、私は月に願いをかけた。

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