赤い流れ星3
「あ…あの…青木さんは……」

「え?」

「え?あ、あの…その…青木さんは…」

そんなこと聞けるはずがない。
あの時、なんであんなことをお訊ねになったのか?…なんて。
だけど、話し掛けてしまったから、何か言わなきゃ…



「野々村さん…?」

「あ、あの……そ、そ、そういえば、青木さんは、ど、ど、どんな方がタイプなんですか?」

何くだらないことを訊いてるんだ!?
そう思ったけど、もう言ってしまったことはどうにも出来ない。
私は、馬鹿みたいな愛想笑いを浮かべて、平静を装った。



「タイプ…ですか?」

青木さんは一瞬戸惑ったような顔をされたけど、それから遠くを見るような視線で何か考えられてらっしゃるようだった。



「俺は、実は、あんまり見た目にはこだわりないんですよ。」

「えっ?そうなんですか?」

青木さんの彼女さんはそんなには知らないけど、亜理紗さんやアンリさんのことを考えると、とてもそんな風には思えない。



「この年になったら外見よりも内面のことが気になります。
理想は、一緒にいて窮屈な想いを感じない人かな。
これが俺にとっては一番重要かもしれません。
あと…可愛いと思える部分がある人。
なんとかしてあげたくなる人……」

青木さんは、そう言って私をじっとみつめられ…



「あ、アッシュ!」

唐突に、青木さんはアッシュさんのところへ歩き出された。
どうしたんだろう?
私がつまらないことを訊いたから、気を悪くされた??
怒ってらっしゃるようには見えなかったのだけど…
私は訳が分からないまま、その場に立ち尽くしていた。
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