赤い流れ星3
「やっぱり、カズ、高い所が苦手なんだ。」
アッシュさんは横目で兄さんの顔を見ながら、くすくす笑う。
兄さんの弱点に気付いたのは、どうやら私だけじゃなかったみたい…
「そりゃあ、確かにあまり好きじゃないが、別になにがなんでも無理だなんて言ってるんじゃないぞ。
ただ、あんなに長い間並んでまで、わざわざ危険な想いをするのが馬鹿馬鹿しくていやなだけだ。
それに、美幸や野々村さんは本当に高い所が苦手なんだし、どうせなら皆が一緒に楽しめるものの方が良いじゃないか。」
兄さん…
私達を言い訳に使うのはやめて下さい…
「そんなこと言って、やっぱり怖いんじゃないのかなぁ?」
「そうじゃない…俺は……」
「じゃあ、乗ろうよ!
怖くないんでしょ?」
「あ、な、何をする!」
アッシュさんは兄さんの腕をがっしりと掴んで、そのまま兄さんをひっぱって長い列の最後に並んだ。
その列は、ものすごい高さから降りて来て、ぐるぐると何回も回転するっていう超怖そうなジェットコースターで、しかも立って乗るもの…
頭上からは猛スピードで走るコースターの走行音と、女性の甲高い悲鳴が聞こえて来る。
それを聞いてるだけでも、眩暈がしそうな乗り物だ。
兄さんはまだアッシュさんになにやら言ってるみたいだけど、アッシュさんは兄さんの腕を離さない。
「美幸さん、私達、あそこで待ってましょうか?」
野々村さんが指差したのは、近くのベンチ。
私達は、飲み物を買ってそこに座りこみ、兄さん達の順番が来るのを待つことにした。
「青木さん、大丈夫かしら?
きっと、青木さんは高い所が苦手なんですよね?」
「やっぱり、野々村さんもそう思う?
絶対、そうだよねぇ…
なのに、突っ張っちゃって…」
「美幸さんは、ご存知なかったんですか?」
「うん、兄さんとは年も離れてるし、その上、兄さんは早くに家を出てるからね。
それに、兄さんは弱みを見せるのが嫌いな人だから…」
「……そうですよね。」
ただの相槌だったのかもしれない。
だけど、その時の野々村さんの声は、妙に実感がこもってるような気がして……私は、そのことがなんとなくひっかかった。
アッシュさんは横目で兄さんの顔を見ながら、くすくす笑う。
兄さんの弱点に気付いたのは、どうやら私だけじゃなかったみたい…
「そりゃあ、確かにあまり好きじゃないが、別になにがなんでも無理だなんて言ってるんじゃないぞ。
ただ、あんなに長い間並んでまで、わざわざ危険な想いをするのが馬鹿馬鹿しくていやなだけだ。
それに、美幸や野々村さんは本当に高い所が苦手なんだし、どうせなら皆が一緒に楽しめるものの方が良いじゃないか。」
兄さん…
私達を言い訳に使うのはやめて下さい…
「そんなこと言って、やっぱり怖いんじゃないのかなぁ?」
「そうじゃない…俺は……」
「じゃあ、乗ろうよ!
怖くないんでしょ?」
「あ、な、何をする!」
アッシュさんは兄さんの腕をがっしりと掴んで、そのまま兄さんをひっぱって長い列の最後に並んだ。
その列は、ものすごい高さから降りて来て、ぐるぐると何回も回転するっていう超怖そうなジェットコースターで、しかも立って乗るもの…
頭上からは猛スピードで走るコースターの走行音と、女性の甲高い悲鳴が聞こえて来る。
それを聞いてるだけでも、眩暈がしそうな乗り物だ。
兄さんはまだアッシュさんになにやら言ってるみたいだけど、アッシュさんは兄さんの腕を離さない。
「美幸さん、私達、あそこで待ってましょうか?」
野々村さんが指差したのは、近くのベンチ。
私達は、飲み物を買ってそこに座りこみ、兄さん達の順番が来るのを待つことにした。
「青木さん、大丈夫かしら?
きっと、青木さんは高い所が苦手なんですよね?」
「やっぱり、野々村さんもそう思う?
絶対、そうだよねぇ…
なのに、突っ張っちゃって…」
「美幸さんは、ご存知なかったんですか?」
「うん、兄さんとは年も離れてるし、その上、兄さんは早くに家を出てるからね。
それに、兄さんは弱みを見せるのが嫌いな人だから…」
「……そうですよね。」
ただの相槌だったのかもしれない。
だけど、その時の野々村さんの声は、妙に実感がこもってるような気がして……私は、そのことがなんとなくひっかかった。