赤い流れ星３
シュウさんがアニメなんて見るはずない。
そんなこともわかってる。
でも、さすがに仕事柄なのか、「アニメは嫌いだ！」とは言われなかったけど、内心はきっとそう思ってるよね…



「あ、あの…シュ、シュウさんは、何が趣味なんですか？」

アニメの話題は苦手だろうと思って、私は無理やり話題を変えた。



「趣味…？」

シュウさんは、ちょっと戸惑ったような顔をした。



「シュウは、仕事が趣味みたいなもんだもんな。」

「確かにそうだな。
休みの日に没頭するような趣味がないっていうのは、考えてみれば寂しいもんだな。」

「じゃあ、ひかりちゃんにアニメの事でも教えてもらえば？」



シュウさんは、ジョーさんの冗談に苦笑する。
そんなこと言われたら、私も同じように苦笑いするしかないよ。
シュウさんがアニメなんて好きになるはずないもん。
ジョーさんにも困ったもんだね。



でも、シュウさんに何か心の底から楽しめる趣味をみつけてあげられることが出来たら…
それは、良いことかもしれない。
シュウさんに残された時間はそう長くはないんだから、ひとつでも多く楽しい思い出を作ってあげたい。
そんなことを想ったら、鼻の奥がつんと痛くなった。
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