赤い流れ星３

「やっぱり、シュウとひかりの間には、切っても切れない深い縁があるんじゃな…」

「まだはっきりとはわかりませんが…
今の状況を見ていると、なんとなくそんな風にも思えますね。
ただ……」

青木さんは、そう言って口籠られた。



「なんじゃな？」

「シュウが、美幸のことを愛していたのは、美幸がそういう設定にしたからです。
そんな愛でも、継続されるものなんでしょうか？」

KEN-Gさんは、お茶を一口すすられた。



「和彦さん…前にも言わんかったかいのう？
小説の世界では、設定こそが真実なんじゃよ。」

「それはわかってるんですが、そのことで美幸もすごく悩んだようですし…」

「悩むことなんてないんじゃ。
あんたらは、この現実の世界の住人じゃからそう思うのかもしれんが、小説の世界の者にとったら、設定は自分が生きる上で必要なものじゃし、その設定に不満を感じる者などおらんからな。」

「……そうなんですか。」



そんなお話を聞くと、やっぱりシュウさんやKEN-Gさんは小説の世界の人なんだなって…
不思議な感覚だけど、そんなことを再認識させられる。
そして、小説の世界の人と今こうして一緒に食事をしていることが、さらに不思議な気分だ。



「残念ながら、わしは仕事があって行けんが、二人の様子をよく見て来ておくれよ。
頼んだぞ。」

「はい、わかりました。」