赤い流れ星3
「……え、え、えっと……」

いい年をしたおばさんなのに、ただみつめられただけで恥ずかしくなって、しどろもどろになるなんて、本当に情けない。



「あの…何か?」

「あ、は、はい。で、ですから…今の言葉の意味が…」

なんとか平静を装おうと思うのだけれど、とても無理だった。



「あぁ……言った通りですよ。
こんな話、誰が信じてくれますか?
大河内さんとシュウは、実は妹が書いた小説の登場人物で、小説の世界から現実の世界にやって来たんだ…なんて、そんなこと言ったら、誰だって俺の頭がおかしいと思うはずです。
もしも、あなたがいてくれなかったら、俺はそんな非現実的な現実とひとりで向き合わなくてはいけないところでした。
そんな過酷なこと…俺ひとりだったらきっと耐えられなかったと思います。」

「あ…わ、わかります!すごく…!」



私もそうだったもの。
KEN-Gさんが、ひかりさんの小説に出て来る賢者さんだと打ち明けられた時…
私がどれほど怖かったことか…



気がどうにかなってしまいそうで…
とても辛かった…



だから、青木さんが以前のことを思い出して下さった時はとても嬉しかった。
救われた気がした。



(一人じゃないって、本当に心強いことだわ…
それに…こんな頼りない私を青木さんが必要として下さるなんて…)



私はまた顔がじんわりと熱くなるのを感じた。
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