赤い流れ星3
「ところで、話は戻るんですが、設定のこと……
野々村さんはどう思われましたか?」

「え?設定……ですか…」

「はい。小説の世界のように、自分の人生が決められているとしたら…
野々村さんは、いやではないですか?
小説の世界の住人は、そのことに不満を持つような者はいないって、大河内さんは言われてましたが…」

「はぁ…そうですね…」



とても難しい問題だから、すぐには答えられなかった。
私もそのお話には確かにびっくりしたけれど…
ただ、そうなんだ…って思っただけだった。
でも、それを自分のことに置き換えたら…自分の人生がすべて決められてるとしたら…



「……俺はいやです。
自分の人生を自分で決められないなんて…」

「そ、そうですよね。」



青木さんは絶対そうだと思う。
今までずっと、ご自分で人生を切り開いて来られたみたいだもの。



「信じられないですよ。
決められた人生を、何の疑問も持たずに受け入れるってことが…
俺達の世界では、ほとんどの者がそう思うんじゃないでしょうか?」

「え、ええ…
で、でも…運命論っていうのもあるにはありますよね。」



私の言葉に、一瞬、青木さんの視線がきつくなった。
私ったら、なんでそんな余計なことを…
ど、どうしよう!?
今更、焦ったところでもう遅いけど…
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