赤い流れ星3
ロビーに出たら、なんとなくほっとした。
シュウさんと二人きりって、本当に緊張するから。



財布の中身をのぞいてみたら、やっぱり入っていたのは1万円札ばかり。
そんな予感はしてたよ。
だから、二人分のお茶は自分のお金で買った。
それから、少々悩みながらやっぱりポップコーンを買って…
せっかくだから、パンフレットも買った。
シュウさんはいらないだろうから、私の分だけ。
結局、シュウさんのお金は遣うことがなかった。



席に戻るのはちょっと気が重いけど…
もうじき映画が始まるから、そうも言っていられない。
私は慌てて席に戻った。



「遅かったな。」

「す、すみません。」

「もう始まるぞ。」

「はい。」



席に着いて、お財布を返してたら、すぐに上映が始まった。
客席から、まばらに歓声が飛ぶ。



今日のアニメは、ごく普通の女子高生が、異世界に飛ぶっていうお話。
ありがちといえばありがちなストーリーだけど、異世界がとてもファンタジックな世界らしくて、私はそれを期待している。
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