赤い流れ星3
(あぁ…面白かった。
期待してた何倍も良かったよ。)



満足感と感動で、胸がいっぱいだった。
エンドロールを見ながら、名残り惜しさを噛み締めながら、目尻にたまった涙をそっと拭った。



流れる曲もとっても良かった!
早速、ダウンロードして、覚えてカラオケで歌いたい。



客電がついて、お客さんがざわざわと動き始める。



「シュウさ…えっ!!」



ふと、横を向いたら、シュウさんがハンカチで顔を覆ってて…



「ど、どうかされたんですか!?」



声をかけても、シュウさんは俯いたまま、動かない。



「シュウさん…だ、大丈夫ですか?」



再び、声をかけると、シュウさんは小さく頷いた。
でも、ハンカチを顔から外さず、動かない。
どうしたんだろう?



(ま、まさか…体調が悪くなったんじゃ…)



病名やら症状など、詳しいことはわからないけど、シュウさんは余命宣告をされている身…
いつ、どんなことが起きたって不思議じゃない。



(どうしよう…!?)



焦ってたら、ちょうど兄さんと野々村さんが、私たちの所へ歩いて来るのが見えて、とりあえず、ほっとした。
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