赤い流れ星3




「シュウがこんなに涙もろいとは…」

「うるさいっ!」

兄さんは俯いて肩を揺らす。



あれからシュウさんが顔を洗うのを待って、私達はランチにでかけた。
お店に着くまでの間も、シュウさんは深く俯いたまま。
兄さんの行きつけだというイタリアンのお店での個室に入った。



シュウさんの顔はもうだいぶ元に戻ってたけど…
兄さんがからかうせいか、シュウさんの機嫌は悪い。



それにしても、確かに意外だ。
いつもクールなシュウさんが、アニメ見て号泣してしまうなんて。



「シュウも年だってことだな。
年取ると、人間、涙もろくなるもんだから。」

兄さんはしつこくからかう。
本当にしつこいから、私も少々イラッと来た。



「……良いじゃない。」

「え?」

「涙もろくたって全然良いんじゃない?
私、すごく嬉しいよ。
シュウさんが、今日のアニメにそんなに感動してくれたこと、めちゃめちゃ嬉しい。」

私のその一言に、みんなが目を丸くしていた。



「そ、そうですよね。
実は私も、ちょっと泣いちゃいました。
アーリカが死んじゃったシーンなんて、もうたまらなかったですよ。」

野々村さんの言葉に、私は深く頷いた。
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