赤い流れ星3
恥ずかしいのに、不思議と悔しくはなかった。
どうしてだろう?



俺は、たばこを一本ふかした。
ぼんやりと夜景を眺めながら、今日のことをゆっくりと思い出す。



(……そういうことか……)



たばこをふかす間に、なんとなく心の整理が付いた。
そうだ…今までなかなかさらけ出すことが出来なかった俺の一面を、素直に出せたからかもしれない。
店での俺は、責任者であり、当然、どんな時にもしっかりしていなくてはならない。
だから、弱みなんて出せなかった。
特に意識をしていたとか、無理をしていたわけではないが、やはり、店のリーダーである自分を演じていた部分もあったのではないかと思う。



だけど……
今日のメンバーには、ありのままの自分をさらけ出すことが出来た。



つまり…
俺は、今日のメンバーを信頼しているということか?



そうだよな…
確かに、カズのことは信頼している。
一緒にいて楽しいし、あいつには絶対負けたくないっていう気持ちもある。
俺の師匠であるカズさんの息子っていうのも、大きいのかもしれない。
俺は、カズさんをリスペクトしてるから。



美咲さんも年齢的にも人柄的にも、信頼出来る人だと思う。



(では、ひかりは…?)



それは、多分、カズの妹だからだ。
それ以外に、何があるっていうんだ!?
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