赤い流れ星3
(頑張らなきゃ!泣いてる場合じゃないよ!)



私は、自分自身に気合いを入れた。



「あ、あの…シュウさん…
向こうに着いたら、どんなことがしたいですか?」

「う~ん、そうだな。
とりあえず、のんびりする。」

「え??」

意外だったっていうのもあるけど…もしかして、体調が悪いのかな?って気になった。
だって、せっかくの旅行で遠くに行くのに、ただ、のんびりしたいだなんて…



「……おかしいか?
でも、自然の中でのんびり出来るって、すごく贅沢なことじゃないか?
普段はとにかくやることが多くて、常にバタバタしてるだろ?
だから、俺は今回の旅行で、とにかくのんびりしようって思ってるんだ。」

「そ、そうなんですか…」

まぁ、確かにシュウさんは毎日忙しいと思うけど…
本当なのかな?
本当にのんびりしたいだけなのかな?



「あ……!」

シュウさんが声を上げ、窓を指さした。



「あ~!」

真下には真っ青な海が広がっていた。
嘘みたいに鮮やかな青い海だ。
心の中まで青く染められたような気がした。



「……綺麗だな。」

「は、はい。」

青い海は、予想以上に私のテンションを高く上げてくれた。
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