赤い流れ星3
side 野々村美咲
*
(最悪だ…
私…なにやってるんだろう……)
激しい自己嫌悪に押し潰されそうになりながら、私は重い足を引きずってスーパーの食品売り場に向かった。
(どう思われたかしら?
やっぱり、気を悪くされた?
不自然だと思われた?
それとも、特になにも思われてない?)
ぼんやりとそんなことを考える。
考えたって、今更どうなるものでもないのに…
本当に馬鹿みたいだってわかってるんだけど…美幸さんから聞いた話がどうにも苦しかった。
先週に続いて今週も仕事以外で青木さんと会えて、しかも、青木さんの今まで知らなかった面をあれこれ知ることが出来て、そしたら、加速度的に青木さんへの想いが募ってしまって……
だけど、私の想いが叶うわけはない。
そんな事はわかっているけど、青木さんと一緒にいるだけでものすごく幸せで…
亜理紗さんと別れられたことで、なんとなく私までがすっきりした気分を感じてたし…
そうだ…きっと、今は「誰の物でもない」青木さんだって思ってたから、余計に浮かれてたのかもしれない。
だけど、そうじゃなかった…
青木さんにはすでに付き合ってる人がいる。
そんなこと…冷静に考えれば、すぐにわかること。
青木さんに好意を寄せてる女性は大勢いるだろうし、亜理紗さんと別れたこともみんな知ってるわけだから、そういう人が近付いてきたのかもしれないし、新たな出会いがあったのかもしれない。
青木さんは女性に不自由なんてしないんだから、
そんなことわかってるのに、なんでこんなに苦しくなるんだろう…
恥ずかしい…いい年をして、まるで、女子中学生みたいなこと言って…
だから、なんともないふりをしようと頑張ったんだけど、苦しい気持ちがどんどん膨らんで来て…
とうとう私は青木さんの傍から逃げ出した。
急に用を思い出したなんて、なんとも曖昧な言い訳をして、必死になって逃げ出してしまった。
(……あんな話を聞かなけりゃ、今頃は一緒に食事をして、そしてカラオケに行って…
きっと、とても楽しい時を過ごせただろうに…
……いや、やっぱり断って正解だったんだわ。
楽しい思い出が増えれば増える程、諦めるのが辛くなるんだから…
……過ぎたことを考えるのはもうやめなきゃ!
気分を切り換えなきゃいけないわ…!
今日はちょっと贅沢なお弁当を買って帰ろう!
ケーキも買うわ!
おいしいものをたくさん食べて、元気出さなきゃ!)
本当は今にも泣き出してしまいそうな心を偽って、私は無理に気合いを入れた。
(最悪だ…
私…なにやってるんだろう……)
激しい自己嫌悪に押し潰されそうになりながら、私は重い足を引きずってスーパーの食品売り場に向かった。
(どう思われたかしら?
やっぱり、気を悪くされた?
不自然だと思われた?
それとも、特になにも思われてない?)
ぼんやりとそんなことを考える。
考えたって、今更どうなるものでもないのに…
本当に馬鹿みたいだってわかってるんだけど…美幸さんから聞いた話がどうにも苦しかった。
先週に続いて今週も仕事以外で青木さんと会えて、しかも、青木さんの今まで知らなかった面をあれこれ知ることが出来て、そしたら、加速度的に青木さんへの想いが募ってしまって……
だけど、私の想いが叶うわけはない。
そんな事はわかっているけど、青木さんと一緒にいるだけでものすごく幸せで…
亜理紗さんと別れられたことで、なんとなく私までがすっきりした気分を感じてたし…
そうだ…きっと、今は「誰の物でもない」青木さんだって思ってたから、余計に浮かれてたのかもしれない。
だけど、そうじゃなかった…
青木さんにはすでに付き合ってる人がいる。
そんなこと…冷静に考えれば、すぐにわかること。
青木さんに好意を寄せてる女性は大勢いるだろうし、亜理紗さんと別れたこともみんな知ってるわけだから、そういう人が近付いてきたのかもしれないし、新たな出会いがあったのかもしれない。
青木さんは女性に不自由なんてしないんだから、
そんなことわかってるのに、なんでこんなに苦しくなるんだろう…
恥ずかしい…いい年をして、まるで、女子中学生みたいなこと言って…
だから、なんともないふりをしようと頑張ったんだけど、苦しい気持ちがどんどん膨らんで来て…
とうとう私は青木さんの傍から逃げ出した。
急に用を思い出したなんて、なんとも曖昧な言い訳をして、必死になって逃げ出してしまった。
(……あんな話を聞かなけりゃ、今頃は一緒に食事をして、そしてカラオケに行って…
きっと、とても楽しい時を過ごせただろうに…
……いや、やっぱり断って正解だったんだわ。
楽しい思い出が増えれば増える程、諦めるのが辛くなるんだから…
……過ぎたことを考えるのはもうやめなきゃ!
気分を切り換えなきゃいけないわ…!
今日はちょっと贅沢なお弁当を買って帰ろう!
ケーキも買うわ!
おいしいものをたくさん食べて、元気出さなきゃ!)
本当は今にも泣き出してしまいそうな心を偽って、私は無理に気合いを入れた。