赤い流れ星3
「な、何ですか?」

「実は、な……」

シュウさんは、笑いを噛み殺しながら、話してくれた。
かくれんぼは、タカミーさんから逃れるための作戦だってことを。
びっくりしたけど、そういえば、うちでパーティをやった時も兄さんが高見沢除けとか言ってたのを思い出した。
確かに、タカミーさん…ここに来てからずっとふたりにべったりだったもんなぁ…



「そ、そうだったんですか…」

「今頃はきっとカズたちも逃げ出してるはずだ。」



(カズ『たち』…ってことは、野々村さんも…?)



「とにかく、作戦が成功して良かったよ。」

「そ、そうですね。」

ってことは、もしかしてタカミーさんはひとりで隠れてるってこと?
おじいさんも探しに来ないのに…?



そんなことを思ったら、タカミーさんがお気の毒に思えたけど…
ひとりで隠れてるタカミーさんを想像したら、おかしくて笑いが込み上げた。



「しばらくこのあたりで時間を潰して、暗くなって来たら帰ろう。」

そう言って、シュウさんはその場にごろんと寝そべった。
なんだかちょっと気まずい雰囲気…
シュウさんとふたりっきりって、本当に緊張するんだよね。
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