赤い流れ星3
side 美幸




「長い間、お世話になりました~!」

大川さん夫妻に、みんなで手を振って…
私たちは、帰宅の路に着いた。



最初は長いと思ってたけど、過ぎてしまえばあっという間の連休だった。
こっちに来てからはかなりのんびりしてたから、明日からちゃんと働けるのか、ちょっと心配。



「じゃあな。」

まただ。
また私は、シュウさんと隣の席で、他の人達とは離れてる。
ギリギリに取ったから、全員並んでというわけにはいかなかったらしいけど、行きも帰りもなんでシュウさんと二人っきりなんだろう?
シュウさんの隣には、私じゃなくて慎二さんが一緒に座れば良いのに。



「……今回の旅行、どうだった?」

「え?あ、はい。楽しかったです。
のんびり出来ましたし。」

「そうだよな。こんなにリラックス出来たのは、大人になってから初めてのことだ。
誘ってもらって感謝してるよ。」

「そうなんですね。良かったです。」

私が口下手だからか、ちょっと話すとすぐに沈黙になってしまう。



「あ…それから、付き合ってるって話だけど…」

「あ、はい、わかってます。
他所では言わないように…ってことですよね?」

「そうじゃない。
今後もそういうことにしとくから、話を合わせるんだぞ。」

「え?」

「そうじゃないと、またタカミーに付きまとわれるじゃないか。
どこから話が漏れるかわからない。
誰にも本当のことは話すなよ。」

「えっ!?あ…はい。」

意外な約束をさせられてしまい、私はけっこう動揺していた。
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