赤い流れ星3
(でも……)



これは、私にとってはチャンスでもあるよね。
偽りとはいえ、私はシュウさんの彼女ってことになってるわけだし、そうなれば、これからはシュウさんと会える機会も増えると思う。
それだけでもすごいことだよね。



(ひとつでもふたつでも、とにかく何かシュウさんの役に立てることがあれば、それで良いんだもん…)



「……どうかしたのか?」

「え?い、いえ…なんでもありません。」

「俺はおまえのおかげで助かったけど、その分、カズが気の毒だよな。
タカミー、あれ以来、カズにべったりだもんな。」

「はい、確かに…」



ま、休みが終わったら、タカミーさんも忙しくなるだろうけど…
あ、そう言えば、お店はスタッフに任せて来たって言ってたっけ。
こりゃ、先が思いやられるな。



「あ、そうだ!」

「え?」

「良いこと考えた!」

「良いこと…?」

シュウさんは、子供みたいに目をキラキラさせて、嬉しそうな顔で頷いた。



(え…?)



シュウさんが、私の耳に口を寄せて…
やだ…なんだか恥ずかしい。
でも、シュウさんは全く気にしてないみたい。



(……ええっ!?)



耳元でささやかれた言葉に、私はびっくりした。
< 544 / 761 >

この作品をシェア

pagetop