赤い流れ星3
(そういえば……)



アンリと別れた後、誰かと付き合っただろうか?
考えてみれば、こんなに長い間、誰とも付き合ってないのは、珍しいことじゃないだろうか…



「あ……野々村さんといえば…」

「何?」

アッシュが、何事かをマイケルに耳打ちする。



「あ、そうだっけ??
でも……」

ふたりが何を言ってるのか、見当がついた。



「野々村さんと大河内さんは、ただの友達だ。」

なぜそんなことを言ってしまったのかわからないが、俺は反射的にそんなことを口にしていた。



「そうだよ。
野々村さんとおじいさんは、そういう仲じゃないよ。」

なぜだか、美幸までもがそんなことを言う。



「そうなの?じゃあ、ますます良いんじゃない?
あ……そういえば、最近、カズって誰とも付き合ってないんじゃない?
えらく長いよね。どうかした?」

「どうもしない。
最近はそれだけ仕事に打ち込んでるってことだ。」

「まぁ、確かに真面目には働いてるけど…」

「本当だ…言われてみたら、カズがこんなに誰とも付き合ってないことって、今までなかったよね。」

なんだなんだ、俺がまるで遊び人みたいなことを言いやがって…
そうは思ったが、そこでむきになるのも大人気ない。
アッシュとマイケルの視線を避け、俺は何も言わずに俯いた。
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