赤い流れ星3
「そ、それは…KEN-Gさんが、美幸さんに話しかけられる時、何度も『ひか』って言い間違われたから…」
「はて?わし、そんなこと言うたかのう?
年を取ると、なんでも忘れやすくて困る…」
そう言うと、おじいさんはにっこり微笑んでお茶をすすった。
手が震えたりすることもなく、いたって落ちついた風情で…
「で、でも、何度も『ひか』って…
だから、たとえば……ひかりさんっていう美幸さんに似た雰囲気のお孫さんでもいらっしゃるのかと…」
その瞬間、おじいさんの片方の眉毛がぴくっと上がった。
間違いないっ!
おじいさんは「ひかり」という名前に確かに反応した!
「……さっきも言うたじゃろ?
わしには孫はおらんよ。」
なのに、おじいさんは何事もなかったかのように穏やかな声でそう答え、ちょうどその時、お料理が運ばれて来たので、私も話すタイミングを失った。
今のは私の思い過ごしだったの?
「どうじゃ、野々村さん、なかなか良い味をしとるじゃろう?」
「え…えぇ、とてもおいしいです。」
「ところで、野々村さん…美幸とはどういう友達なんじゃ?」
「え…そ、それはですね…
私が青木さん…あ、お兄さんの方ですよ。
青木さんからちょっとしたお仕事をいただいていてまして、その関係で美幸さんとお友達になったんです。
美幸さんは最近こちらに来られたばかりで、親しい方がいらっしゃらないとのことだったので……」
「美幸は最近こっちに来たと?
それでは、それまではどこに?
友達はやはり少ないのか?
食生活はどうなんじゃろう?」
しょ、食生活ですか?
おじいさんの美幸さんに対する関心の強さはやはり尋常じゃない。
美幸さんのことが知りたくてたまらないって感じだ。
それに、『友達はやはり少ないのか?』って、その訊ね方はどうもおかしい気がした。
それは、以前の美幸さんに友達が少なかったことを知ってる人の訊ね方じゃないだろうか?
おじいさんに対する私の疑念はさらに深まっていった。
「はて?わし、そんなこと言うたかのう?
年を取ると、なんでも忘れやすくて困る…」
そう言うと、おじいさんはにっこり微笑んでお茶をすすった。
手が震えたりすることもなく、いたって落ちついた風情で…
「で、でも、何度も『ひか』って…
だから、たとえば……ひかりさんっていう美幸さんに似た雰囲気のお孫さんでもいらっしゃるのかと…」
その瞬間、おじいさんの片方の眉毛がぴくっと上がった。
間違いないっ!
おじいさんは「ひかり」という名前に確かに反応した!
「……さっきも言うたじゃろ?
わしには孫はおらんよ。」
なのに、おじいさんは何事もなかったかのように穏やかな声でそう答え、ちょうどその時、お料理が運ばれて来たので、私も話すタイミングを失った。
今のは私の思い過ごしだったの?
「どうじゃ、野々村さん、なかなか良い味をしとるじゃろう?」
「え…えぇ、とてもおいしいです。」
「ところで、野々村さん…美幸とはどういう友達なんじゃ?」
「え…そ、それはですね…
私が青木さん…あ、お兄さんの方ですよ。
青木さんからちょっとしたお仕事をいただいていてまして、その関係で美幸さんとお友達になったんです。
美幸さんは最近こちらに来られたばかりで、親しい方がいらっしゃらないとのことだったので……」
「美幸は最近こっちに来たと?
それでは、それまではどこに?
友達はやはり少ないのか?
食生活はどうなんじゃろう?」
しょ、食生活ですか?
おじいさんの美幸さんに対する関心の強さはやはり尋常じゃない。
美幸さんのことが知りたくてたまらないって感じだ。
それに、『友達はやはり少ないのか?』って、その訊ね方はどうもおかしい気がした。
それは、以前の美幸さんに友達が少なかったことを知ってる人の訊ね方じゃないだろうか?
おじいさんに対する私の疑念はさらに深まっていった。