赤い流れ星3




「あ、兄さん…スマホ変えたの?」

「え?あぁ、まぁな。」



結局、その日のうちに機種変することになってしまい…
夕食の席で、俺は、またしてもスマホを眺めていたようだ。



「かっこいいね。」

「そうか。」

美幸はこういうことには目ざとい。



「新しいスマホはやっぱり良いよね。」

「そうだな。」

「ねぇ、何かあった…カズ?
最近、なんかぼ~っとしてるね。」

「え?そ、そんなことはない。
至って普通だ。」

「普通って……」

マイケルとアッシュが、くすくす笑う。



(感じ悪いな……)



俺は、ぼーっとなんてしていない。
仕事はちゃんとやってるし、ミスを犯した覚えもない。



(だけど……)



スマホのことが気になっていることは確かだ。
そう、俺は野々村さんからの連絡を待っている。
それも、仕事とは無関係の連絡を。



そうか、きっと、これは俺の性格の問題なのだ。
完璧主義という、俺の。
付き合ってるふりをするなら、やっぱり普段から多少はそれらしい行動をしないと気が済まないんだ。



自分の本心がわかって少しほっとした。
そういうことなら、何も問題はない。



(そうだ、この提案を野々村さんに送ってみよう!)
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