赤い流れ星3

side シュウ





「あ、礼二、そのネクタイだがちょっと地味だな。
もう少し派手なものにした方が良い。」

「はい、シュウさん。」



今日も一日、無事に終わった。
ほっとした気分で控室に戻った時…



「シュウ…聞いたぞ。」

部屋に入って来たジョーに脇腹を小突かれた。



「聞いたって…何をだ?」

「なんだなんだ。
これだけ長い付き合いなのに、俺に隠し事をするつもりか?」

「隠し事だって?
本当にわからない。何のことなんだ?」

「ひかりちゃんとのことだ。」

「ひかり…?」



(あ……)



その時、俺の頭に浮かんだのは、慎二の顔だった。
そうか…慎二の奴が…



「なぁ、一体、どういう風の吹き回しなんだ?」

「どういうって…俺がひかりと付き合ったらそんなにおかしいか?」

「おかしいってわけじゃないけど…シュウ…本気なのか?」

「だから…本気だったらおかしいのか?」

「やけに突っかかるな。」

ジョーはそう言って笑った。



ひかりと俺が、偽りの付き合いをしていることは、カズと野々村さんしか知らない。
慎二は、マジに受け取ったんだろう。
それはともかく、ホストともあろう奴が、なんと口の軽いことか。



(あの野郎…!)



近々、慎二には説教をしてやろう。
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