赤い流れ星3
そう、これは全くいつもの野々村さんの態度に間違いない。
つまり、今野々村さんは、普通だということだ。



(なぜなんだよ!?)



これはもう少し押してみるしかないか?



「あの、俺……
酒をたくさん飲むと、その…女性をお持ち帰りする癖があるみたいで…
だから、その…」

「だ、大丈夫です。
酔われても理性はありました。
私には一切そのようなことはされませんでした!」

野々村さんは焦った様子でそう言った。
だけど、それは本当になにもなかったからなのか、嘘をついてるからなのかがわからない。



記憶が無いからなんとも言い難いが、あのシチュエーションでなにも無かったとはとても思えないんだが、野々村さんはなにもなかったと言っている。
どうにももやもやしているが、真相を明らかにするのは難しそうだ。



「……そうですか。良かったです。
もしも、俺が酔っておかしな真似をしようとしたら、遠慮なく殴って下さいね。」

「大丈夫ですよ。
青木さんは、私にはそんなこと、絶対されませんから。」



本当にそうだろうか?
納得は出来ていないが、これ以上話しても無駄だと悟り、もうその話をするのはやめた。
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