赤い流れ星3
「野々村さん、なんて顔をしてるんですか。
こんなことを言ったら、自惚れてると思われるかもしれませんが、きっとタカミーは、シュウより俺の方がより好きだったんですよ。
だから、諦めないと言った。
それと、美幸には完全に勝ってるから争う気にはならなかったけど、野々村さんのことはライバルだと思ったのでしょう。」

青木さんはもっともらしいことをおっしゃるけど、そんなわけないわ。
私のせいなのよ。
全ては私のせい。



「わ、私……」

「あ、そういえば、タカミーが、あなたには好きな人がいると言ってましたが、以前そんな話をされましたか?」

「え?」



どうだっただろう?
髪をやってもらったときに、何かお話はしたような気がするけれど、私、そんなことまで言ったかな?



「よく覚えてないですが、タカミーさんがご存知だということは、話したのかもしれません。」

「……そうでしたか。」

「そのことが何か?」

「あ…はい。
タカミーが、野々村さんから告白されたのか?って訊いて来たもので。」

「え!?」

ってことは、タカミーさんは、私の好きな人が青木さんだってご存知だったってこと?
私はいくらなんでもそこまでは話してないはずなのに。
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