赤い流れ星3
確かにあるかもしれない。
振りをしているうちに、だんだん本当に好きになるようなことが。
青木さんもきっと同じことを考えられたんだと思う。
でも、相手が私ではやっぱり嫌なのかな。
そうよね、いやよね。
私は青木さんの眼中にない。
告白を、聞かなかったことにするって言われたんだから。



やっぱり、思い出したら恥ずかしいし落ち込むな。



「そうですね。近いうちにシュウに伝えておきます。
あ…そうだ。四人で出かけませんか?
言ってみたら、ダブルデートみたいなもんです。
それだったら、二人っきりよりもハードルが低い。
美幸とシュウも、そういうことを重ねるうちに、本当に仲良くなれるんじゃないでしょうか?」

「それは良いアイディアですね。」



口ではそう言ったけど…本心は少し違う。
私はただ単に、青木さんと遊びに行けることが嬉しかっただけ。
なんて、自分勝手な女なんだろう。



「最初は映画でも行きますか。
それからショッピングでもして…」

「良いですね。
きっと楽しい一日になると思います。」

私はその日に想いを馳せ、高鳴る胸を懸命に押さえた。
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