赤い流れ星3
「じゃあ、1時間後にそこの広場で待ち合わせよう。」

「1時間は早いよ。」

「そうか?じゃあ、2時間にしようか。」

そうだ。時間が長い方が、二人でいる時間も長いってことになる。
それは、シュウと美幸にとっても良いことだ。
なんだか、妙にワクワクしてきた。



「あ、そうそう。
服選びは、個人の趣味は無視すること。
店はこのビル内限定だ。
パートナーが選んだものを素直に受け入れること。」

「え~…私、本当にセンスないのに。」

シュウが一体どんな格好になるのか。
申し訳ないが、なんだか笑いが込み上げてきた。



「カズ、何笑ってるんだよ。」

シュウのヤツ、えらく勘が良いな。



「わ、笑ってなんかない。
たとえ、おかしな服装になっても、否定しないことだ。
選んでもらった服を着て、ここに集合だぜ。」



「じゃあ、2時間後にな。」

ファミレスを後にして、俺達は二手に別れた。



「えーっと、まずはどんな店があるか、見てみましょうか?」

「そうですね。
ここはレストラン街だから、上にあがってみましょうか。」

エスカレーターで移動しようとしたら、シュウ達もいた。
やはり、考えることは同じようだ。
となれば、素早く行動した方が良さそうだ。
美幸は、行動がゆっくりだから、その点ではこちらが有利だ。
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