赤い流れ星3
どうしよう。全くアイディアなんてないのに。



「とりあえず、もう一度、館内マップを見てみましょう。」

うん、そうだよね。
闇雲に歩いても時間を食うだけだもの。
シュウさんに合いそうなのは…



う~ん、スポーツとカジュアルはなんか違うよね。
シュウさんなら似合わないことはないだろうけど、センスの悪い私が選んだんじゃおかしなものになりそうだし…



「あ、こっちが良いかもです。」

その階はファッショナブルなお店が集まってるみたいだった。



「じゃあ、そこへ行ってみるか。」

エスカレーターでその階に行ったら…



「まずい!」

シュウさんが私を柱の影に引っ張った。
何かと思ったら、野々村さんと兄さんがいた。
兄さんとシュウさんの普段着は、割と似た感じだから、そりゃあそうなるよね。



「……なんだかあの二人……」

「え?」

「やけに良いムードだな?」


確かに。言われてみたら、まさに本当の恋人同士みたい。
不思議だね。
偽物の恋人なのに。
二人共、演技派なのかな?
兄さんはともかく、野々村さんはそんなタイプじゃないと思うんだけどなぁ。
< 615 / 761 >

この作品をシェア

pagetop