赤い流れ星3
「ここはやめとこう。同じようなものになりそうだ。」

「そうですね。」

私達はこっそりとその場を後にした。



「さて、どうする?」

さっきの店から少し離れたベンチに座った。



「そうですねぇ……」

どうすると聞かれても、アイディアがないんだよね。
全く、兄さんもつまらないことを思いついてくれたもんだ。
私みたいにセンスのない者にとっては、嫌がらせみたいなもんだよ。



(あ……)



その時、私達の目の前を若いカップルが通り過ぎた。
最近なかなか見ないくらいのペアルックだ。



「シュウさん、決まりました!
行きましょう!」

「えっ!?」



私がシュウさんを連れて行ったのは、さっきのアニメショップ。
そこで、私が買ってもらったものと色違いのメンズを選んだ。
さすがにシュウさんにピンクは着せられないから、黒にした。



「ペアルックか?」

「はい!シュウさんがこんなの着るのも珍しいと思いますし、良いんじゃないですか?」

「確かに面白いかもしれないな。」

シュウさんもわりと乗り気だ。
ついでにバッグもお揃いで買って、試着室を借りて着替えをすませた。



ペアルックだなんて、なんだか照れくさい。
それにしても、シュウさん…さすがに着こなしてるよ。



(カッコイイ…!)

惚れ惚れしてしまう。
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