赤い流れ星3

side 野々村美咲





待ち合わせ場所に行くまでは、多分、勝つかなって思ってた。
私はともかく、今日の青木さんはめちゃくちゃカッコよかったから。
それは、服を選んでくれたあなたのおかげだと言われ、天にも昇る程、嬉しかった。
でも、違う。
私が選んだものが良かったんじゃなくて、青木さんの着こなしだ。
襟を立てたり、袖をまくったり、ちょっとしたことで服がさらに映える。
青木さん、モデルになられても成功したんじゃないかしら?



そんな浮かれた気分で待ち合わせ場所に行って…
シュウさんと美幸さんを見たら、完全に負けたと思った。
だって、お二人はペアルックだったんだもの。
これはすごい戦略だ。
しかも、カジュアルなジャージなのにオシャレで可愛くて。
背中のバックプリントは、多分、アニメのキャラなんだろうけど、派手でカッコイイ!
なんだか、お二人の雰囲気もすごく合ってて、私は負けを痛感した。



「ペアルックとはビックリだな。」

青木さんも、やっぱり負けだと思われたかな?
ペアルックは、本当に思いつかなかった。



「だろ?なかなか良いだろ?」

シュウさんは自信満々だ。
それに引替え、美幸さんはなんだか元気がない。
どうしてなのかしら?

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