赤い流れ星3
「今回は俺達の勝ちだな。」

シュウさんが誇らしげにそう言われた。
そうよね、私もそう思う。
そしたら…



「馬鹿なことを言うなよ。俺達の勝ちに決まってるだろう。
野々村さんを見て、なんとも思わないのか?」



え!?
青木さん、なんてことを…恥ずかしい。



「そりゃあ、確かに今日の美咲さんはすごく素敵だ。
100点だな。
でも、カズは対していつもと変わらない。」



私のせいだ。
私のセンスが悪いから…



「でも、兄さんはめちゃくちゃカッコイイよ。
野々村さんも女優さんみたいに綺麗だし、私は兄さん達の勝ちだと思う。」

「おいおい、何言ってんだよ。
工夫という点では俺達の勝ちだろう。」

「はい、私もそう思います。
ペアルックにされたアイディアが良かったですし、とても可愛いです。」

「野々村さん、何言ってるんですか。
俺達は、各自で最高の出来のはずです。だったら、俺達の勝ちでしょう。」



つまり、シュウさんチームが勝ちだと思ったのが、私とシュウさん。
そして、私たちのチームが勝ちだと思ったのが、美幸さんと青木さん。



「あれ?じゃあ、引き分けってこと?」

「それは面白くないな。」

「だいたい、あんたが審査方法を考えてなかったのが悪いんだぞ。」

「仕方ないじゃないか、急に思いついたんだから。
あ、今からアッシュとマイケルを審査員として呼ぼうか?」

「それなら、俺の店の者を呼んだ方が…」



勝ち負けにこだわるシュウさんと青木さんに、思わず笑ってしまった。
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