赤い流れ星3




「なんだよ、まだ根に持ってるのか?」

「別に…」

夕飯は、シュウがみつけてくれたイタリアンの店に行った。
ネットでみつけてくれたようだが、落ち着いた雰囲気の良い店だった。
シュウはまだ負けたことを引きずっているのか、機嫌がよくなかった。



「あ…!」

急に美幸が声を上げた。



「どうした?」

「もしかして、兄さんと野々村さんの数珠、お揃いじゃない?」

「え!?」



まさか、美幸が気付くとは。
俺は長袖だから、あまり見えないはずなのに。
指摘されるとなんだか妙に照れてしまう。



「なんだ、あんたらもペアやってたんだな。
そんな分かりにくいもので。」

「お前たちと違って、俺達は奥ゆかしいんだ。」

「良く言うよ。」

野々村さんも照れている。
でも、そんな野々村さんが可愛く思えてしまった。
これは、ゲームとは関係なくお互いにプレゼントし合ったものだということは、もちろん内緒だ。
さすがにそのことを話すのは恥ずかしい。



「野々村さん、見せて。」

「あ、はい。」

「綺麗な石だね。なんか彫刻もされてるんだね。」

「これは四神って言って、各方角を守ってる神獣が彫ってあるんだ。
お守りみたいなもんだな。」

シュウが解説する。



「へぇー、神獣か~、かっこいいね。」

美幸は、四神ブレスが気に入ったようだった。
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