赤い流れ星3
美幸がこういうものに興味を示すとは思わなかった。
同じようなものを買ってやるのは容易いことだが、これだけはだめだ。
野々村さんとお互いに贈りあったものだから…
そんなことを気にする自分自身がどこか不思議だった。



(なんだろう、この気持ち…)



「どうしたんだ?カズ…」

「え?」

「なんだかぼーっとしてたじゃないか。」

「な、なんでもない。」

「今日のカズはなんかおかしいな。」

「至って普通だ。」

「変なゲームは思いつくし。」

「でも、面白かっただろ?」

「……まぁな。」



少し意外な気がした。
シュウが、ゲームを楽しんでくれたとは。
確かに、今もシュウは美幸とペアルックのままだ。
嫌だったら、着替えるはずなのに。
かく言う俺もそうなのだけど。
皆がゲームで決めた服のままだ。
野々村さんはかなり恥ずかしがっていたけれど、俺のコーディネートはとても良いと思う。
これからもこういう女性らしい服を着てくれたら良いのだが。



夕食の後は、腹ごなしのカラオケだ。
レストランからほど近い所にカラオケがあった。
通りはイルミネーションで飾られている。



(あ…)



「写真撮らないか?」

「そうだったな。」

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