赤い流れ星3
「どうしよう、誰かに撮ってもらうか?」

「二人ずつで撮れば良いんじゃないか?」

「え?」

考えてみれば、野々村さんと二人で写真を映す機会なんて今までなかった。



(二人で……)



想像したら、なんだかとても照れくさい想いがした。



「美幸、シュウの隣に立てよ。」

「え?は、はい。」

美幸は明らかに不自然に離れて立っている。



「もっとこっちだろ!」

シュウが美幸の腕を引っ張って引き寄せた。



「わっ。」

美幸は赤い顔をして、シュウの隣に立った。



「じゃあ、撮るぞ。」

美幸がおずおずと顔をあげて、ピースサインをする。



「はい、チーズ!」

なかなか良い映りだ。



「じゃあ、次はカズ達だな。」


俺達は、イルミネーションで飾られた木の下に並んだ。
そして、自然と野々村さんの肩に手を回した。
こんなことなんでもない。
いつでもやってることだ。
そんな言い訳めいたことを頭の中で繰り返す。



「美咲さん、もう少し顔上げて。」

「は、はい。」

「いくよ。はい、チーズ!」



「なんか、本物の恋人同士みたいだ。」

シュウがそう言った画像は、確かにすごく雰囲気のあるもので…
なんだかとても照れくさい想いを感じた。
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