赤い流れ星3
そんなことになったら大変だ。
とにかく、そうならないように対策を練らないと。



『今日はお疲れ様でした。』

『お疲れ様でした。
今日は楽しかったですね。』

返事はすぐに返って来た。
しかも、なんだか野々村さん、機嫌が良さそう。
評判が良かったからかな?
それとも、兄さんがなんか言ったのかな?



『そうだね、楽しかったね。』

『はい、とても楽しかったです。』

やっぱり、機嫌が良い。
なんか言い難いな。
でも、言っとかないとだめだよね。



『なんか兄さんと良い雰囲気だったけど、くれぐれも気を付けてね?』

『気を付けるって、何にですか?』

野々村さん、察してよ。
言い難いことなんだから。
あぁ、嫌だなぁ。
でも、言わなきゃだめだよね。



『野々村さんも知ってると思うけど、うちの兄さんは手が早いんだ。
野々村さん、最近とっても綺麗だし、もし、兄さんが手でも出したら…って、心配で。』

ストレートだけど、変に回りくどく書いて伝わらなかったら困るから、簡潔に書いた。
いつもならすぐに返事があるのに、しばらく間が空いた。



『大丈夫ですよ。青木さんは絶対そんなことはされませんから。』

野々村さんからの返事にがっかりした。
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