赤い流れ星3
「美幸、野々村さんから連絡はあったか?」

「うん、親戚の人のところに行くことになったらしいね。」

「なんでなんだ?」

「詳しいことは聞いてないよ。
とにかく、しばらく帰って来れないし忙しいから、あんまりLINEも出来ないかも、って。」

「そうか……」



野々村さんは美幸にも同じようなことを言ったみたいだ。
事情を話してくれれば安心出来るのに。
何か言い難い事情なんだろうか。



それからは確かにLINEも減った。
いつもならすぐに返って来てたのに、しばらく経ってから短い返信が来たり。
たまに、どうしようもなく声が聞きたくて電話をかけても、ただ呼び出し音が鳴り続くだけだった。



「最近、なんか元気ないんじゃないか?体調でも悪いのか?」

シュウと遊びに行った時、そんなことを言われた。



「いや、体調はなんともない。だけど……」

「やっぱり悩みがあるんだな。
どんなことだよ。話してみろよ。」

「え、そんな…悩みとか言えるようなもんじゃ…」

「いや、十分悩んでると思う。
もう何ヶ月も前からだよな。
実はずっと気になってたんだ。
でも、あんたから話してくれるのを待ってた。
最近は特に沈んでるから心配だった。」

どうやらシュウにはバレていたようだ。
俺はついに話す決意をした。
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