赤い流れ星3
「あ、そういえば、美咲さんとあんたが結婚したら、ひかりと美咲さんは義理の姉妹になるんだな。」

「そういうことになるな。
まぁ、美幸は野々村さんと仲が良いから、反対はしないだろうな。」

「おい、いいかげん『野々村さん』はやめろよ。
俺なんか最初から『美咲さん』だぜ。」

「あ……」

柄にもなく、カズが照れたような顔をした。



「野々村さんもいまだに俺のことは『青木さん』なんだ。
さすがにそれはおかしいよな。
でも、急に変えるのも難しいし、困ったなぁ。」

「あ~あ、なんともつまらない悩みだなぁ。」

「俺は本気で困ってるんだぞ。」

なんか青春してるな。
俺は思わず、苦笑した。



「ところで、おまえはどうなんだ?
やっぱり、美幸のことは好きにはなれないか?」

急な質問に俺は動揺した。



作戦は成功し、高見沢は俺やカズのことは諦めてくれた。
もしや絶交状態になるのかと思いきや、髪も切ってくれるし、文句を言いながらも店に遊びにも来てくれる。



だけど、別れたとなればまた高見沢の悪い癖が復活するかもしれないから、引き続き、恋人のふりは続行中だ。
だけど、ひかりとはすごく曖昧な関係性だ。
もちろん、俺たちはいまだプラトニックな関係だ。


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