赤い流れ星3




「こんにちは。体調はどうですか?」

「は、はい。大丈夫です。」



次の日、青木さんが一人でお見舞いに来て下さった。
綺麗なお花を持って。



「野々村さん、単刀直入にお訊ねしますが…生まれたのは俺の子供ですか?」

「え…そ、それは…」



どうしよう?
どう答えたら良い?
鼓動が早くなり、汗が流れる。



「あの時の子供、なんですよね?」



青木さんにはバレてるみたいだ。
どうしよう?
何か言い繕えるだろうか?
嘘を吐いた方が良い?
でも、下手な嘘を青木さんが信じてくださるだろうか。



「ご、ごめんなさい。」

そう言った途端に涙が零れた。



「なぜ、謝るんですか?」

「わ、私…どうしても子供が産みたくて…
わ、わかってます、そんなのだめですよね。
でも、青木さんには絶対にご迷惑をおかけしませんから。」

「迷惑?
子供が出来たら、俺が怒ると思ったんですか?迷惑だと言うと思ったんですか?」

畳み掛けるような問いかけには、明らかに怒りの感情が含まれていた。
目も怖い。



「こ、子供は私一人で育てます。
本当に、絶対に迷惑はかけませ…」

「野々村さん!!」

「は、はい。」

「俺、一言でも言いましたか?
迷惑だって。」

「え?」

青木さんの言葉の意味がわからなかった。
< 661 / 761 >

この作品をシェア

pagetop