赤い流れ星3

side 和彦

「本当に可愛いなぁ。」

和香奈を抱いたシュウがしみじみとそう言う。



「シュウ、ベビーカーやらベビーベッドやらありがとうな。」

「いやいや、なんていうか、孫が生まれた爺さんになった気分だな。
可愛くて仕方がないよ。」

「シュウに子供が産まれたら、俺がベビーカーとベビーベッドをプレゼントするよ。」

シュウは何も言わず、ただ苦笑した。



「どうだ?新婚生活はうまくいってるのか?」

シュウはどこか冷やかすようにそんなことを訊く。



「まぁまぁ、うまくやれてるんじゃないか?」

子供の世話はあんまり出来ないが、家事はそれなりにやっている。
茶碗を洗ったり、掃除機をかけたり…



「生活費はどうしてるんだ?」

「え?」

そんなこと、考えたこともなかった。
食料品や必要なものは、買ってきた者が払っていた。



「もう結婚したんだから、渡さなきゃだめじゃないか。
小遣いをもらって、あとは美咲さんに渡さなきゃ。」

「……そうだな。」

言われてみれば確かにそうだ。
世の夫はたいていが小遣い制で、稼いできた金の大半は生活費として妻に渡すんだ。
明日にでも、早速話してみよう。
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