赤い流れ星3
「僕の妹を覚えていますか?」

「あぁ、もちろんだ。確か、美幸ちゃんだったよな。」

「はい。実は、美幸はシュウと付き合っているんです。」

「え?あの美幸ちゃんがシュウと!?」

高坂は目を丸くして驚いていた。
それも無理からぬこと。
シュウと美幸は、あまりにも不釣り合いだ。



「まぁ、正確に言えば、付き合ってるというか、付き合ってる振りをしていたんですが。」

「なんだって。まさか、それも高見沢避けとやらなのか?」

「はい、そうです。」

「その高見沢ってやつは、相当嫌われてるんだな。
しかし、あのシュウがよくそんなことを了承したな。
シュウなら、恋人役を頼む女くらい、山ほどいるだろうに。
あ、すまない。
美幸ちゃんが役不足だと言ってるわけじゃないんだ。
ただ、美幸ちゃんにそんな役をさせるなんて、なんだかシュウらしくないと思ってな。」

「それには、事情があるんですよ。」

俺は沖縄でのことを話した。



「なるほど。そういう経緯があったのか。
しかし…シュウと美幸ちゃん…
なんとも不思議なカップルだな。」

シュウをよく知る高坂には、やはり美幸とシュウは、不釣り合いに思えるのだろう。
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