赤い流れ星3
「そういえば、カズさんはカズのお母さんとどうやって知り合ったんですか?」

「そんなこと…どうでも良いじゃないか。」

カズさんは照れくさそうにそう言った。



「いや、気になりますよ。知りたいです。」

「困った奴だな。」

カズさんは、煙草に火を付けた。
そして、深く吸い込み、白い煙を吐き出した。



「最初は見た目に惹かれた。
真樹子は、俺の好みにドンピシャのルックスだったんだ。」

カズのお母さんが美人だということは、誰かに聞いたような気がする。
それとも、カズが母親似だと聞いたから、そう思うだけか。



「俺の通う高校と真樹子の通う高校は近くだったんだ。
頭のレベルは全然違ったけどな。
それで、何度か見かけて声をかけた。」

「ナンパしたわけですね。」

「まぁ、そうだな。
だけど、真樹子は俺みたいなタイプは好きじゃなかったみたいで、ずっと無視された。
俺は昔から割とモテてたから、それがすごく癪に障ってな。
半ば意地になった。
今で言うストーカーに近いかもしれないな。」

カズさんはルックスが良いのはもちろんのこと、話も面白いし、優しいし、モテたというのは嘘では無いと思う。
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