赤い流れ星3
「それからどうなったんですか?」

「高校を卒業してから、二人で住むようになった。
真樹子の家の近くのアパートだった。
金がなかったから、必要なものは親に買ってもらったような気がするよ。
二人で暮らすようになってからは、多少、俺にも結婚したんだっていう自覚は生まれた。
子供のことも可愛いと思ったよ。」

「そういえば、名前は誰が付けたんですか?」

「真樹子だ。
いくつか候補を考えていて、俺にどれが良いか聞いてくれた。
でも、確か、俺は違う名前を選んだような気がするんだ。
だけど、結局は真樹子が和彦に決めたんだ。」

名付けの決定権もお母さんだったんだな。
なんとなく、おかしくなって俺は小さく笑った。



「子供の世話もあいつはうまかったな。
真樹子に教えてもらって、俺もたまには和彦の世話をした。
家事も出来るだけやろうと思ってた。
だけど、そんな日が続くと、なにかつまらなく感じるようになったんだ。
遊びに行くこともなく、バイトと家事ばかり。
仕方ないとは思いながらも、そんな生活が嫌だった。
そのうち、家のことをほったらかして、遊びに行くようになったんだ。
……本当に最低だよな。」

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