赤い流れ星3
ようやく、料理が揃った。



「シュウ…」

「まずは食べましょう。せっかくの料理が冷めたらもったいない。」



それはシュウさんの言う通りだけど、料理なんか喉を通っていかないよ。



そんなことを考えてたら、高坂さんがハンカチで私の顔を拭いてくれた。
高坂さんは本当に優しいよね。



皆、押し黙ったままで、食器の音だけが静かに響く。



「さすがにうまいな。」

「そうでしょう。ここのシェフは、本場フランスで何年も修行をした人なんですよ。」

兄さんは本当に美味しい店を良く知ってるよ。
どうにか食べ終えると、また次の料理が運ばれてきた。
さっきの続きの結婚の話はなかなか出来ない。
メインは肉料理だ。
私も少し落ち着いたのか、やっと料理の味がわかるようになった。
本当に美味しいよ。
おじいさんの所でも美味しいものは食べているけど、ここのはまた更に一段と美味しい気がする。



コース料理が次々と運ばれて来る。
ちょっとした話は出来るけど、さっきの話はやっぱりしにくい。
でも、それで良かったのかな。
私、さっきはなんだか頭に血が上って、とんでもないこと、言ってしまったもんね。
冷静になれてよかったよ。
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