赤い流れ星3
そんなことを考えていたら、食後のデザートが運ばれて来た。
ようやく、今日の食事会も終わりだ。



「シュウ…さっきの話だが…
美幸ちゃんはお前に本気で惚れてるけど、お前の方は美幸ちゃんに対して特別な感情は一切ない。
そういうことなんだな?」



高坂さん、また話を蒸し返すの?
もういいよ。
十分、ダメージは受けたから、もうやめて。
これ以上辛いことを言われたら、私、もう立ち直れない。



「……き、嫌いだと言ってるわけじゃない。
良い子だと思うし、可愛いとも思ってる。
だけど…いや、だからこそ、結婚なんか出来ない。
カズさん、俺はホストだ。
そんな俺のことを、美幸ちゃんの両親がどう思うかなんて、カズさんにもよくわかってるだろう?
美幸ちゃんに、俺は相応しくない。
結婚なんて、出来るはずがない。」

「なるほど。つまり、美幸ちゃんがどうこうというわけじゃなくて、要は親に許してもらえるはずがないから、諦めた、ということなんだな。」



(え…!?)



じゃ、じゃあ、シュウさんは、私のことが嫌いなわけじゃないんだ。
だったら、まだチャンスはある?



「わ、私…親との縁を切ります!
だから、結婚して下さい!」



言った…言えたよ。
私の気持ち…
今、私は本当にそう思ってる。
短い間でも良い。
シュウさんの傍にいたい。
そのためには、何だってするよ!

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