赤い流れ星3

side シュウ





「おい、本気なのか?」

「そりゃそうだろ。」

俺は、カズから手渡された婚姻届けに困惑する。
美幸の部分は既に書き込まれている。
保証人欄にも、カズと大河内のじいさんの署名があり、後は俺が書き込めば提出出来る。



食事会の時に、なんだか無理やり承諾させられ、それからあれよあれよといううちに、準備が整い…
教会とホテルの準備はおろか、新婚旅行の手配まで済まされてしまった。



(どうすりゃ良いんだよ。)



確かに、美幸は気になる存在だが、それが恋愛感情なのかどうかはよくわからない。
なのに、美幸は結婚したい程、俺を好きだと言い、その気持ちを尊重されて、結婚することになってしまった。
良いのか?そんなんで。



別に、結婚に対して憧れや理想があったわけじゃない。
うまくいかなきゃ、別れれば良いだけだ。
だが、俺はともかく、美幸はそれで良いんだろうか?
親の承諾も取らず、勝手にホストなんかと結婚して。
バレた時の修羅場が気になる。
俺は別に構わないが、美幸が辛い想いをするようなことは本来ならばしたくない。
でも、誰も俺のそんな想いをわかってはくれない。
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