赤い流れ星3

side 美幸






「うっ…」



「どうした!?」



シュウさんが、驚いている。
そりゃ、そうだよね。
きっと、今の私はおかしな行動をしている。



だって、今、婚姻届けを出してしまったんだよ。
つまり、シュウさんとこの私が本当に結婚したってことで…
ようやく、私の願いが叶ったってことで…
でも、両親を裏切ってしまった。
バレたら絶対偉いことになる。
そう思ったら、とても怖くて…
私の心はすっかり混乱してしまった。
なんとかしなくちゃ。
そうだ、こんな時は深呼吸だ。


大きく息を吸い込んで、それをゆっくり吐く。



「ちょっと、そこに座るか?」

「は、はい。」



役所のソファに腰を降ろした。



「気分でも悪いのか?」

「い、いえ、ちょっと緊張しただけです。」



本当に少し落ち着いた気がする。
先のことは、またその時に考えれば良いんだ。



「あ、あの…」

「何だ?」

「これから、どうぞよろしくお願いします。」

「え?あ、ああ…
こちらこそ、よろしくな。」

シュウさんもなんだか照れくさそう。
私も照れくさいよ。



あ!私…もう名前が変わったんだ。
もう青木美幸じゃない。
神咲美幸になったんだ。
そう思ったら、体に電気が走るような気がした。
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