赤い流れ星3

それから…

「和香菜ちゃん、美都季君、成人おめでとう。」

「ひかりおばさん、ありがとう!」



今日は、和香菜と美都季の成人の日だ。
早いね、あれからもう20年近く経ったなんて。
血筋が良いせいか、振袖を着た和香菜も袴をはいた美都季もすごく素敵だ。
二人共、芸能界に入らないかとスカウトされてるみたいだけど、兄さんが頑なに拒んでるみたい。



「この晴れ姿、シュウおじさんにも見て欲しかったなぁ。」

「シュウもきっとそう思ってるよ。」



野々村さんは、また目の下にクマを作ってる。
あれから、野々村さんは作家デビューして、今では売れっ子作家だよ。
兄さんが、夢を諦めるにはまだ早いとか何とか言って、野々村さんに小説を書かせたんだ。
それが、あるコンテストに入賞して…
確か、双子が小学校に上がってまだ間もない頃だったよ。
そんなことを考えてたら、外でクラクションが鳴った。



「あ、パパだ。」



兄さんは相変わらず仕事を頑張ってる。
10年くらい前に、マイケルさんとアッシュさんが帰国した時は割と落ち込んでいたけれど、新しい人も入り、また元気が出てきたような感じだ。
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