赤い流れ星3
*
「おぉおぉ、良く来てくれたな。」
大河内さんの家に着くまでの間、マイケルが仕事のことで話をして来たので、残念ながら、野々村さんと話す機会は得られなかった。
あの時、野々村さんはどんなことを話そうとしていたんだろう…
あの素っ気無いメールには、やはり何か意味があったのだろうか…
(なぜ、こんなに気になるんだ…
気にするようなことでもないのに…)
ようやく晴れるかと思った心の霧が、また濃さを増したような気分だった。
「おじいさん、これ、お土産!」
「ボクからはこれね!」
通されたリビングのソファに座るなリ、美幸とアッシュがこの間テーマパークで買って来た土産を手渡した。
「どうもありがとうな!
今度はわしも連れていっておくれ。」
「うん、もちろん…あ……」
美幸の視線の先にあるものに気付いたのか、大河内さんはにっこりと微笑んだ。
「何、なに?
あぁ……」
アッシュも、そして同時に俺も気付いた。
それは、テレビの横の棚にあったリッキーのぬいぐるみだ。
シックにまとめられているこの部屋には不似合いで、おかしな具合に目立っている。
「可愛いじゃろ?
野々村さんにもらったリッキーじゃよ。」
「わ、わ…こんな所に…」
「あれがいてくれると、帰って来た時になんだかほっとするんじゃよ。
ありがとうな、野々村さん……ん?」
大河内さんは、野々村さんと話している時になにかに気付いた様子で、次に美幸の方を視線を移した。
「あれあれ?
美幸と野々村さんのネックレスはお揃いなのか?
仲良しなんじゃのう…」
「あぁ……まぁね。」
余計なことを…
俺は大河内さんの言葉に心の中で舌打ちをした。
これで、また美幸がお揃いということに不服を感じ、野々村さんに何か言ったりしないかといやな気分だった。
「それにしても、美幸の石は可愛いらしいが…野々村さん…
あんたのはちょっと地味過ぎやしないか。
もっと、ほら赤とかピンクとか…もしそういうのが気恥ずかしいならブルーとかグリーンも良いかもしれんぞ。
そうじゃ、野々村さん!
あんた、誕生日はいつなんじゃ?
わしがもっと綺麗な宝石をプレゼントしてやろう!」
「……すみません。
大河内さん、それを選んだのは俺なんです。
俺、センスがないからそんなものを…
野々村さん、もう無理にそんなもの付けることありませんよ。
外して下さい。
いや……どうせ安物だし、そんなもの捨てて下さい。」
俺は、反射的に感情的なことを口走っていた。
お陰でその場の雰囲気は最悪なものに変わってしまった。
「おぉおぉ、良く来てくれたな。」
大河内さんの家に着くまでの間、マイケルが仕事のことで話をして来たので、残念ながら、野々村さんと話す機会は得られなかった。
あの時、野々村さんはどんなことを話そうとしていたんだろう…
あの素っ気無いメールには、やはり何か意味があったのだろうか…
(なぜ、こんなに気になるんだ…
気にするようなことでもないのに…)
ようやく晴れるかと思った心の霧が、また濃さを増したような気分だった。
「おじいさん、これ、お土産!」
「ボクからはこれね!」
通されたリビングのソファに座るなリ、美幸とアッシュがこの間テーマパークで買って来た土産を手渡した。
「どうもありがとうな!
今度はわしも連れていっておくれ。」
「うん、もちろん…あ……」
美幸の視線の先にあるものに気付いたのか、大河内さんはにっこりと微笑んだ。
「何、なに?
あぁ……」
アッシュも、そして同時に俺も気付いた。
それは、テレビの横の棚にあったリッキーのぬいぐるみだ。
シックにまとめられているこの部屋には不似合いで、おかしな具合に目立っている。
「可愛いじゃろ?
野々村さんにもらったリッキーじゃよ。」
「わ、わ…こんな所に…」
「あれがいてくれると、帰って来た時になんだかほっとするんじゃよ。
ありがとうな、野々村さん……ん?」
大河内さんは、野々村さんと話している時になにかに気付いた様子で、次に美幸の方を視線を移した。
「あれあれ?
美幸と野々村さんのネックレスはお揃いなのか?
仲良しなんじゃのう…」
「あぁ……まぁね。」
余計なことを…
俺は大河内さんの言葉に心の中で舌打ちをした。
これで、また美幸がお揃いということに不服を感じ、野々村さんに何か言ったりしないかといやな気分だった。
「それにしても、美幸の石は可愛いらしいが…野々村さん…
あんたのはちょっと地味過ぎやしないか。
もっと、ほら赤とかピンクとか…もしそういうのが気恥ずかしいならブルーとかグリーンも良いかもしれんぞ。
そうじゃ、野々村さん!
あんた、誕生日はいつなんじゃ?
わしがもっと綺麗な宝石をプレゼントしてやろう!」
「……すみません。
大河内さん、それを選んだのは俺なんです。
俺、センスがないからそんなものを…
野々村さん、もう無理にそんなもの付けることありませんよ。
外して下さい。
いや……どうせ安物だし、そんなもの捨てて下さい。」
俺は、反射的に感情的なことを口走っていた。
お陰でその場の雰囲気は最悪なものに変わってしまった。