赤い流れ星3
「家っていえばね…あの……あれ?野々村さん……
……野々村さん!?どうかしたの?」
「えっ!?え…な、なにも!!」
ぼーっとしてたから、アッシュさんに声をかけられたのにもなかなか気付かなかった。
「野々村さん、この近くに保養所があったのご存知ですよね?」
「え…あ、あぁ…はい。
確かあそこは今は使われてなかったんじゃ…」
「その通りです。
ボク達がここに来た時には、すでに売りに出されてたんですが、最近、あそこに工事の手が入ってるんですよ。」
そういえば、ここへ来る途中、何台ものトラックとすれ違って…
いつもこのあたりはあんまり車がいないのに、おかしいなと思ったことを思い出した。
「このあたりもちょっと騒がしくなりそうだな。」
青木さんは、残念そうな声でそう言われた。
確かにこのあたりはとても静かで環境が良い。
でも、保養所に大勢の人が来るようになったら、この環境も少し変わるかも知れない。
「多分、そうはならないと思うよ。」
「なぜだ?」
青木さんの質問に、アッシュさんは意味ありげに微笑んだ。
「実はね…さっき、コンビニで聞いたんだけど、あそこ、個人のお屋敷になるらしいんだ。」
「えーーーっ!
あれが個人の…?
大豪邸じゃないか。
……不況だって言われる時代だけど、やっぱり、持ってる奴は持ってるんだね。」
マイケルさんは首をすくめ、小さく口笛を吹いた。
「うん、なんでも貸しビル業をやってる人だとか言ってたよ。
すごいもんだね。」
私も間近で見たことはないけれど、どこかの会社の保養所とか言われてたその施設は、確か三階建てで広い敷地が印象的な場所だった。
このあたりには何軒かの民家があるだけで、大きな建物といったらそこしかなく、自然に囲まれた小高い丘の上にあるその施設はけっこう目立ってはいたけれど、なにせ用事がないものだからこれまでは意識して見た事もなかった。
「そのうち見に行ってみようよ。」
「アッシュは、本当に好奇心旺盛だな。」
「ボクはまだカズよりはずっと若いからね!」
「なんだってぇ!?」
アッシュさんの軽口に、青木さんはわざと大袈裟に怒ったふりをして、その場は明るい笑い声に包まれた。
……野々村さん!?どうかしたの?」
「えっ!?え…な、なにも!!」
ぼーっとしてたから、アッシュさんに声をかけられたのにもなかなか気付かなかった。
「野々村さん、この近くに保養所があったのご存知ですよね?」
「え…あ、あぁ…はい。
確かあそこは今は使われてなかったんじゃ…」
「その通りです。
ボク達がここに来た時には、すでに売りに出されてたんですが、最近、あそこに工事の手が入ってるんですよ。」
そういえば、ここへ来る途中、何台ものトラックとすれ違って…
いつもこのあたりはあんまり車がいないのに、おかしいなと思ったことを思い出した。
「このあたりもちょっと騒がしくなりそうだな。」
青木さんは、残念そうな声でそう言われた。
確かにこのあたりはとても静かで環境が良い。
でも、保養所に大勢の人が来るようになったら、この環境も少し変わるかも知れない。
「多分、そうはならないと思うよ。」
「なぜだ?」
青木さんの質問に、アッシュさんは意味ありげに微笑んだ。
「実はね…さっき、コンビニで聞いたんだけど、あそこ、個人のお屋敷になるらしいんだ。」
「えーーーっ!
あれが個人の…?
大豪邸じゃないか。
……不況だって言われる時代だけど、やっぱり、持ってる奴は持ってるんだね。」
マイケルさんは首をすくめ、小さく口笛を吹いた。
「うん、なんでも貸しビル業をやってる人だとか言ってたよ。
すごいもんだね。」
私も間近で見たことはないけれど、どこかの会社の保養所とか言われてたその施設は、確か三階建てで広い敷地が印象的な場所だった。
このあたりには何軒かの民家があるだけで、大きな建物といったらそこしかなく、自然に囲まれた小高い丘の上にあるその施設はけっこう目立ってはいたけれど、なにせ用事がないものだからこれまでは意識して見た事もなかった。
「そのうち見に行ってみようよ。」
「アッシュは、本当に好奇心旺盛だな。」
「ボクはまだカズよりはずっと若いからね!」
「なんだってぇ!?」
アッシュさんの軽口に、青木さんはわざと大袈裟に怒ったふりをして、その場は明るい笑い声に包まれた。