赤い流れ星3




「長い間、すまんかったな。
とても助かったよ。ありがとう。」

「いえ、そんな…
こちらこそ、どうもありがとうございました。」




(わっ!もうこんな時間!)

KEN-Gさんとの電話を終え、時計を見た私は思わず小さな呻き声を発してしまった。
確か帰って来たのが7時頃で…お風呂に入ったりして……電話があったのは8時過ぎあたりだったのかしら?
そう言えば、おなかも減ってる。
考えてみれば、晩御飯をまだ食べていなかったもの…
だとしたら、4時間以上も喋ってたの…!?



スマホの件がだいたい終わった後、KEN-Gさんは、今日、食事の予定をしていた人が体調が悪くて早めに帰られたこと等を話されて、その後は主に携帯小説の話だった。
なんだか、私に聞きたいことがあるような…なんといったら良いのかわからないけど、KEN-Gさんにしてはどこか歯切れの悪い話し方のように感じられて……
それと、美幸さんのことを今日は何も話されなかったのが、なにかおかしな気がした。
青木さんのことは少し話されていたけど、美幸さんのことにはあえて触れないようにしているように思えて、そのことが私は少し気にかかった。



(とにかく、まずは何か食べなきゃ…!)



夜中に食べるのもどうかと思ったけど、このままだときっとお腹がすいて眠れないと思って、やっぱり食べることにした。
ぼーっとテレビを見ながら簡単な食事を済ませた頃、私はあることに気が付いた。



(あっ!メール!)



青木さんから来たメールの事を思い出して、私はスマホを見に部屋へ戻る。




(あ……そうだ…充電!)



スマホは、さっき、KEN-Gさんと話してた時に電池が切れてそのままだった。



(あれれ…?あ、そうだ、あれあれ…)



スマホは、携帯のアダプターで充電出来るものの、短いコードのようなものを取り付けなくてならない。
大切なものだからなくさないようにと考えていたのに、その短いコードがみつからない。
どうしよう!?
あれがないと充電出来ないのに…!

私は必死になってそれを探したけれど、どうしてもみつからない。



諦めてパソコンからメールしようかとも考えたけど、もう時間も時間だ。
こんな時間に携帯にメールするのは気がひけるし、パソコンに送った所で、もう青木さんはお休みになられてるだろうから見られるのはきっと明日になる。
それなら、明日携帯にメールした方が良いような気がした。
美幸さんもメールを下さってるかもしれないけど、見られない。
明日、早速、ショップに行かなくてはと考えながら、私もようやく諦めて眠ることにした。
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