リンゴジュースのあなた
「あっ…梓!先行っててっ
トイレ行ってくる~」
「わかったぁ~」
もうすぐチャイム鳴っちゃうから
早くしないとっ…
えっ…嘘。
前から晴さんが歩いてくる。
どうしよ…顔赤くなるよ…
パチッ――――
あ…目が合っちゃった。
ふい……。
思いっきり顔背けられちゃった。
やっぱり、傷つきたくなかった。
晴さんもしかしたら覚えてすらないのかも…。
私にリンゴジュースあげたこと。
私の頬がリンゴみたいだったこと。
「はぁ。」
早くしないとチャイムが…
キーンコーンカーンコーン……。
鳴っちゃったや…サボろ。
私はトイレに行き屋上に行った。