【短編】愛して欲しい。
悩み。
って言えば、ひとつしかない。
だけど、んな簡単に言えるかっつーの。
まぁ、あれだ。
俺の変なプライドっちゅうやつなんだけど。
「あ、そうだ。お前、えーっと莉衣(リイ)ちゃんだっけ? 付き合ってんの?」
ビールの缶を開けながらシレっと言ったその姿に、俺は何だかわけのわからない怒りが込み上げてきた。
つーか、今言うんじゃねーよ!
たった今、俺の変なプライドだとか、思ったところだっちゅーの。
「酒足んねぇよっ」
「は? お前、人ん家で偉そうに……」
その怒りをそのまま、水城にぶつけた。
俺を睨みながらも、水城は酒を取りに行く。
あ゙ーーー!
もうっ!
今言うんじゃねーよっ!
頭をガシガシと掻きながら、莉衣の顔が浮かんだ。